「そしたら沢田君がいきなり屋上から飛び降りちゃってさ!本当びっくりしちゃったよ。でもちゃんと二人とも無事だったから良かったんだけどね」
一通り話すとは僕がいれておいた紅茶を飲んで「おいしい」と嬉しそうに笑った。
僕の彼女はいつもは静か(な方だと思う)だけど、何か興味のある事とか面白い事を見つけると今みたいにとても饒舌になる。
「ひば、違った、恭弥も見てた?」
「いや。風紀委員を行かせただけで僕は見てないよ。それに群れてる奴らが多いしね」
「あー、確かに凄い人だったよ。ファンクラブの子とか大騒ぎだったし。あ、ファンクラブといえばさ、あの獄寺君のもあるんだよね。まぁ格好良いもんなぁ」
冷めた紅茶で喉の渇きを潤しながらの話を聞いているうちに胸の辺りがもやもやしてきた。
「、こっちに来なよ」
「え?…何か怒ってない?」
「別に」
とにかく来なよ、と言うとはちょこん、と僕の隣に座る。どうかしたの、と彼女が言い終わる前にその唇を自分ので塞いでやった。
「……っ……んっ………」
唇を離して抱きしめるとが僕の胸に顔を埋めた。こうしている間だけは本当に静かだ。
「…、愛してる」
「………私も」
そう言った彼女の少し照れた顔がいとおしくて僕はもう一度彼女にキスをした。