書類整理が一段落して鳥と遊んでいると応接室のドアがノックされた。
「誰?」
「です」
「今開けるよ」
元気の無い声に違和感を覚えながらドアを開くとがだるそうな顔で立っていた。肌の色もいつにも増して白い。とりあえずソファに座らせて冷蔵庫から冷やしておいた紅茶を出す。
「どうかした?顔が白いよ」
「いや、ただの脱水症状だから平気ー。夏になるとしょっちゅうなんだよね。ここは冷房きいてるから少ししたら治ると思うよ」
手を振りながらへら、と笑ってはいるがあまり平気なようには見えなかったので額に手を当ててみる。
「…熱はないみたいだね」
「わっ!」
の頬にキスするとあっという間に真っ赤になった。その表情が可愛くて笑っていたらぽかぽかと胸の辺りを叩かれた。
「もうっ!いきなり何するの!」
「何ってキスだけど」
「そうじゃなくて!!っわぁ」
の肩を軽く押せば簡単にソファに倒れこんだ。騒ぐ彼女の唇をキスで塞げばすぐにおとなしくなった。
「とにかく紅茶飲んでおとなしく寝てなよ」
「はーい…ってこれは?」
「寒いだろうからそれかけてなよ。僕が折角貸してあげるんだから有難く思いなよ」
「…ん」
「…何にやけてるの」
「別にー。ただ、恭弥の匂いがするな、って……」
恥ずかしそうに学ランにくるまるの頭を撫でてやるとそれが気持ちよかったのか、すぐにすやすやと気持ちよさそうな寝息が聞こえてきた。
あとで草壁にアイスでも買って来させるかな。